二代井上良斎(1845~1905)の本名は川本勝三郎。二代目川本治兵衛の子供でしたが、1866年に二代目治兵衛が亡くなり、三代目川本治兵衛を襲名します。折角、三代目川本治兵衛を襲名した後になぜ初代井上良斎のところに移りそこで働くようになったのか、その経緯は不明です。閑話休題、三代目治兵衛は、その後、初代良斎の娘婿となり、二代目井上良斎を名乗るようになります。二代目良斎は、パリ万博に参加出品した後、フランスの国立セーブル製陶研究所に数年残って、最新の製陶技術を学びます。しかし、帰国後に惜しくも病に倒れて60歳の若さで亡くなっています。日本窯業史における知られざる巨匠であると思います。さて、出品作は初期の二代目井上良斎の立体造形の技術的特色を遺憾なく発揮した傑作です。寸法は、高さ25cmです。ヒビ、カケ、ワレなどの瑕疵はなく、擦り傷さえない、非常に良い保存状態状態です。掛け流しの飴釉が艶やかで綺麗です。本作には、東京上野の老舗桐箱店に特注した誂箱が付きます。初代・二代井上良斎の隅田焼は比較的よく見かけますが、本作のような美術作品を見つけることは難しくなってきています。因みに、近代日本陶磁器のコレクションで有名な名古屋の美術館に本作と同意匠の作品が収蔵されています。
商品の情報
カテゴリー | その他 > アンティーク/コレクション > 工芸品 |
商品の状態 | 未使用に近い |